障害のある方を正社員として雇用する際に活用できるのが、キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)です。2026年も制度の継続が予定されており、スケジュールや支給額、申請条件の最新情報を押さえることが重要です。
本記事では、企業が助成金を効果的に活用するために必要なステップや注意点をわかりやすく解説します。
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)とは
障害者の正規雇用を推進する制度の意義
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は、障害を持つ有期・無期雇用労働者を正社員として転換または直接雇用した企業に支給される助成制度です。目的は、障害者の安定雇用を促進し、企業の雇用環境を整備することです。
対象者には以下のような労働者が含まれます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 身体障害者 | 視覚・聴覚・肢体などに障害がある方 |
| 知的障害者 | 知的機能に遅れがあると診断された方 |
| 精神障害者 | 精神疾患や双極性障害などの診断を受けた方 |
| 発達障害者 | ADHD、自閉スペクトラム症など |
| 難病患者 | 指定難病を抱える方で就労制限がある場合 |
この制度により、企業は社会的責任を果たすと同時に、多様な人材の活用によって組織の力を強化することが可能です。
2026年のスケジュールと助成金の流れ
手続きの流れとタイミングを押さえる
申請には計画的なスケジュール管理が必要です。以下の流れで手続きを進めます。
| 工程 | 時期・タイミング | 内容 |
|---|---|---|
| 計画提出 | 転換の前日まで | 「キャリアアップ計画書」を所轄の労働局へ提出 |
| 正社員転換 | 計画期間内 | 就業規則に基づき正社員へ転換 |
| 賃金支払い | 転換後6か月間 | 賃金を継続して6か月支給 |
| 支給申請 | 賃金支払完了後2か月以内 | 支払日の翌日から2か月以内に申請 |
| 助成金支給 | 審査後 | 指定口座へ振込される |
提出漏れや期限超過があると申請が無効になるため、十分な確認と社内体制の構築が求められます。

2026年の支給額の目安(中小企業)
転換形態ごとに異なる助成額
支給額は転換元の雇用形態によって変わります。以下が中小企業向けの目安です。
| 転換元 | 支給額(1人) | 支給タイミング |
|---|---|---|
| 有期雇用 → 正規雇用 | 120万円(60万+60万) | 6か月後・さらに6か月後 |
| 無期雇用 → 正規雇用 | 60万円(30万+30万) | 6か月後・さらに6か月後 |
第2期の支給は重点支援対象者であること、かつ継続雇用が要件となっています。
申請における注意点とポイント
制度を最大限活用するための実務ポイント
以下の注意点を押さえておくことで、スムーズに支給申請を行うことができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者の確認 | 障害者手帳または医師の診断が必要 |
| 賃金増額 | 転換前より3%以上の賃金アップが必須 |
| 就業規則の整備 | 正社員登用の方法を明記しておく必要あり |
| 管轄への提出 | 労働局・ハローワークの所在地管轄に注意 |
| 最新情報の確認 | 2026年7月に法改正予定のため随時チェック |
これらを事前に整備しておくことで、申請時のトラブルや遅延を回避できます。
制度活用による企業メリット
障害者雇用がもたらす価値
キャリアアップ助成金の活用は、金銭的支援だけでなく、企業経営にさまざまな好影響を与えます。
| メリットの内容 | 具体的効果 |
|---|---|
| 人材の安定確保 | 採用コスト削減・定着率向上 |
| 企業ブランディング | SDGs・CSR強化による信頼性アップ |
| ダイバーシティ推進 | 組織の柔軟性・イノベーション力の向上 |
| 行政評価向上 | 公的支援との連携がしやすくなる |
単なる助成金目的でなく、「人を育てる視点」での制度活用が長期的な成果を生み出します。
2026年の法改正と制度の展望
法定雇用率引き上げが与える影響
2026年7月には、障害者法定雇用率の引き上げが予定されています。これに伴い、助成制度の要件や申請内容の見直しが予想されます。
特に中小企業においては、より高い雇用義務が課される可能性があるため、今のうちから制度の理解を深め、採用・定着の体制を構築しておくことが推奨されます。
まとめ
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は、単なる金銭支援ではなく、人材戦略の一環として活用できる制度です。2026年も変更点を見据えた準備が求められます。申請のためには、就業規則の整備、対象者の確認、賃金増額の実施など、複数の要素をクリアする必要があります。
企業にとっては、これを機に雇用環境の見直しや組織文化の改善に取り組むことで、より持続可能な人材活用体制を築くチャンスとなります。



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