監修者 竹村 直浩

・会計事務所での実務経験を起点にキャリアをスタートし、
 約30年間にわたりデータベースマーケティング/BPO業務/起業支援/新規事業立案に従事
・データベースマーケティング関連事業・新規事業支援会社では、
 創業者・代表取締役として30年間経営を牽引(現在は取締役として参画)
・新規事業コンサルティング会社の代表取締役として、経営管理・新規事業立案などの業務支援を提供
・介護・衛生管理、シニア向けIT、マーケティングDB構築など複数領域で取締役を歴任し、
 事業開発と組織運営の両面から企業成長を支援

定款作成・登記手続きの方法とは?電子定款と会社形態による違いをわかりやすく解説

コラム

定款作成・登記手続きは、会社設立に不可欠なステップです。電子定款による費用削減や、株式会社と合同会社で異なる認証手続きの違いを理解することで、スムーズな起業を実現できます。本記事では、具体的な手順と必要書類を分かりやすく解説します。


定款作成・登記手続きの全体の流れとは

会社設立に必要な初期ステップの把握が鍵

定款作成・登記手続きは、会社設立において最も重要なプロセスの一つです。以下に、会社設立の基本的な流れを表形式でまとめます。

手続きのステップ内容
1. 基本事項の決定商号、目的、本店所在地、出資者、資本金などを決定
2. 定款の作成Word等で作成し、PDF形式に変換
3. 電子署名の実行発起人全員が電子署名を実行
4. 定款認証(株式会社)公証役場で認証、電子定款なら印紙代不要
5. 登記申請書類の作成登記申請書、同意書、承諾書、印鑑証明など
6. 登録免許税の納付資本金の0.7%、最低額あり
7. 法務局へ提出管轄の法務局へ必要書類一式を提出(オンライン申請も可能)
8. 登記完了・会社設立登記完了により法人設立が成立

定款作成のポイントと記載事項の決定

定款作成の基本構成と準備項目

定款には必ず記載しなければならない項目があります。下表にまとめました。

分類記載内容の例
絶対的記載事項商号、目的、本店所在地、設立に際して出資される資本金の額
相対的記載事項発行可能株式総数(株式会社)、取締役や監査役の人数など
任意的記載事項事業年度、株主総会の開催方法、利益の配分ルールなど

電子定款を利用すると、収入印紙代4万円が不要になります。費用削減の観点からも、現在は電子定款が主流となっています。


株式会社と合同会社の認証の違いとは

公証役場の有無による手続きと費用の違い

会社形態によって、定款の認証が必要かどうかが異なります。以下の表で比較してみましょう。

会社形態定款認証の要否印紙代設立時の手間
株式会社必要電子定款なら不要、紙は4万円公証役場での認証が必要
合同会社不要なし定款作成後、すぐに登記可

設立費用を抑えたい場合は合同会社が適していますが、社会的信用度や資金調達の面では株式会社に利点があります。


登記申請で準備する必要書類一覧

提出漏れを防ぐためのチェックリスト

登記申請では、会社形態に応じた書類の提出が義務付けられています。以下は株式会社を例にした必要書類の一覧です。

書類名備考
定款(認証済み)公証人による電子認証済みデータ
設立登記申請書法務局に提出する主たる申請文書
発起人全員の印鑑証明書発行後3か月以内のもの
代表取締役の印鑑証明書個人の市区町村役場で発行
印鑑届出書会社の実印を届出
資本金払込の証明資料(通帳コピー)振込明細が分かるもの
就任承諾書取締役・監査役の就任に関する書類
実質的支配者の申告書犯罪収益移転防止法に基づく義務書類

書類に不備があると、申請が受理されず設立スケジュールに遅れが生じるため注意が必要です。


登録免許税と設立費用の違い

最低額と納付方法を確認しておこう

設立時には必ず登録免許税を納付しなければなりません。会社の種類により最低税額が異なります。

会社形態登録免許税の計算式最低額
株式会社資本金の0.7%15万円
合同会社資本金の0.7%6万円

納付方法は収入印紙の貼付が一般的ですが、オンライン申請の場合は電子納付も可能です。


登記ねっとによるオンライン申請のメリット

現代の主流はオンライン化による効率化

法務省が提供する「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を利用することで、以下のような多くのメリットが得られます。

メリット詳細内容
移動不要役所に行かず自宅・オフィスから申請可能
申請の柔軟性時間外や休日でも申請可(受付は営業日)
処理スピードの向上書類送付のタイムラグがなくなる
電子納付が可能登録免許税などの納付も簡便に
印紙代不要(電子定款のみ)電子定款により最大4万円のコスト削減

これにより、設立にかかる手間とコストの削減が大きく進みます。


まとめ

定款作成・登記手続きは複雑に見えるかもしれませんが、ポイントを押さえることで効率的に会社設立が可能です。

  • 電子定款を使えば印紙代を削減
  • 会社形態により手続きが異なる
  • 書類不備は致命的な遅れにつながる
  • オンライン申請で効率的な処理が可能

これから会社設立を考えている方は、適切な準備と制度理解が成功の第一歩です。確実な一歩を踏み出しましょう。