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「申し上げる」と「申す」の違いとは?正しい使い方とビジネスでの注意点を解説

ビジネス一般

敬語の中でも使用頻度の高い「申し上げる」と「申す」は、どちらも「言う」の謙譲語として使われる表現です。しかし、この二つの語には明確な違いがあり、使い方を間違えると相手に不自然な印象を与えてしまいます。

本記事では、それぞれの意味や使い方の違いを丁寧に解説し、適切な表現を選べるように導きます。ビジネスや日常の場面で、より信頼感のあるやりとりを行いたい方におすすめの内容です。


申し上げると申すの違いとは

敬語には複数の種類がありますが、「申し上げる」と「申す」は、どちらも「言う」という動作をへりくだって表現する謙譲語に分類されます。ただし、二つは同じ謙譲語であっても種類と目的が異なるため、使用の場面を間違えると、かえって不自然な敬語表現になってしまいます。

申し上げるは「謙譲語Ⅰ」であり、話の相手を直接立てる言い方です。これに対して、申すは「謙譲語Ⅱ(丁重語)」とされ、自分の立場を低くして話すことで丁寧さを表します。

以下の表で違いを簡潔に比較してみましょう。

表現敬語の種類敬意の向け先主な使用場面使用例
申し上げる謙譲語Ⅰ(本動詞)相手(目上の人物など)感謝、謝罪、報告、お願い「ご報告申し上げます」「お詫び申し上げます」
申す謙譲語Ⅱ(丁重語)自分を下げる(間接的敬意)自己紹介、説明、報告「田中と申します」「先ほど申しました件について」

申し上げるの意味と使い方

「申し上げる」は、相手を高めて敬意を伝える本動詞型の謙譲語です。自分の行動や言葉が、目上の人や重要な相手に向かっていることを明確に示すために使用されます。

使用の場面は、特に以下のような状況が適しています。

使用場面説明
感謝の場面「感謝申し上げます」「御礼申し上げます」のように、相手の行為に対する敬意を込めた表現
謝罪の場面「深くお詫び申し上げます」など、失礼やミスに対する丁寧な謝罪に使用
報告や申し出「ご報告申し上げます」「お願い申し上げます」など、相手に対して自分の意思や内容を丁寧に伝える場面で用いられる

使用例:

  • 「このたびは、心より感謝申し上げます。」
  • 「ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。」
  • 「一言ご報告申し上げます。」

注意点
「申し上げる」は相手を敬うことに特化した言い方であるため、自己紹介などの自分に関する情報を述べる場面には適していません。


申すの意味と使い方

「申す」は、自分の行動を控えめに丁寧に述べる言い方であり、「言う」の丁重語です。話し相手に対して強く敬意を表すというよりも、話し手の立場を下げることで、穏やかに丁寧さを伝える表現です。

次のような場面に適しています。

使用場面説明
自己紹介「〇〇と申します」のように、自分の名前や立場を控えめに伝えるとき
事実の報告「昨日の件について申しますと〜」など、淡々と説明する際に使われる
引用・伝聞他者の言動を再現するとき、「〜と申しておりました」などと使われる

使用例:

  • 「私は田中と申します。」
  • 「そのように申しておりました。」
  • 「昨日の件について申しますと……」

注意点
申すは、あくまで自分を低めて話すための表現であり、相手に強い敬意を伝えたい場面では不十分なこともあります。その際は、「申し上げる」への切り替えが適切です。


間違えやすいケースと正しい使い方

敬語の誤用は、丁寧なつもりでも相手に違和感を与えてしまう可能性があります。以下に、「申し上げる」と「申す」における代表的な誤用例とその正しい言い換えをまとめました。

誤った使い方正しい言い換え解説
「田中と申し上げます」「田中と申します」自己紹介では「申す」を使うのが正しい
「ご意見を申します」「ご意見を申し上げます」相手の意見に敬意を払うべき場面では「申し上げる」が自然
「お礼を申します」「お礼を申し上げます」感謝の意を伝えるときは、相手を立てる敬語が必要

ビジネスシーンでの使い分け事例

実際のビジネスシーンでは、敬語の選択が信頼関係に大きく影響します。ここでは場面別に、適切な表現を整理しました。

シーン適切な表現解説
名刺交換時「〇〇株式会社の佐藤と申します」初対面の自己紹介では「申す」が適切
社内会議発言時「一点、補足を申し上げます」丁寧に発言内容を伝えたいときには「申し上げる」
クレーム対応時「ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」相手の立場を重んじる表現が求められる
メールの締めくくり「何卒よろしくお願い申し上げます」定型文としても使われる丁寧な締めくくり

このように、それぞれの語が自然に使われる場面を理解しておくと、相手に対してより良い印象を与えることができます。


類似表現との比較と使い分け

「申し上げる」「申す」に似た敬語も多数あります。ここでは、混同しやすい他の謙譲語と比較して、それぞれの特徴を確認します。

表現種類特徴使用場面例
いたす謙譲語Ⅰ「する」の謙譲表現。動作全般に使える「確認いたします」など
申し上げる謙譲語Ⅰ「言う」の謙譲形。相手への敬意を強く示す「お詫び申し上げます」など
申す謙譲語Ⅱ(丁重語)自分をへりくだる。敬意の強さは控えめ「田中と申します」など
存じます謙譲語Ⅰ「思う」「知る」の謙譲表現「承知いたしております」「存じません」など

これらの使い分けを正しく理解することにより、あらゆる敬語表現において自然な対応が可能になります。


まとめ

「申し上げる」と「申す」は、どちらも「言う」の敬語ですが、使用目的と敬意の向け先が異なるため、場面によって適切に使い分けることが求められます。

  • 申し上げるは、相手への敬意を強く示したい場面で使用。感謝、謝罪、お願いなどで頻出。
  • 申すは、自分を下げて丁寧に伝えたい場面で用いられ、自己紹介や説明などでよく使われる。

言葉は、思いやりと配慮を伝える最も直接的な手段です。正しい敬語を使いこなすことは、相手との信頼を築き、より良い人間関係を形成するための大切な一歩となります。シチュエーションに合わせた敬語を自然に使えるよう、今回の内容をぜひ実践に生かしてください。